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2016年3月21日月曜日

新鮮さが全く感じられない「なつかしBCL大全」

秋葉原へ出掛けたついでに立ち寄った書店で、この「なつかしBCL大全」に気付いた。
過去に「BCL」に凝った時代があったが、ソニーの ICF-2001を最後に、このジャンルから遠ざかり、今は同じソニーの ICF-SW7600GRが座右にあるが、ラジオ代わりで出番は無い。
BCL、いわゆる短波放送の受信だが、主に海外から日本向けに送信される日本語放送プログラムを受信しようとする趣味である。
そのブームは、1980年頃をピークに前後五年ほどであったが、ソニーと松下の二大家電メーカーが凌ぎを削り、短波放送受信用としては、かって無いほど素晴らしい性能のラジオが幾つも世に出た。

このブームに熱狂した往時の若者達も、既に還暦を過ぎ、「BCL」の文字に往時を懐かしく思い出すかも知れない。
しかし、現在のインターネットをはじめとする情報化社会に於いて、短波放送局は次々と閉局し、このBCLブームの再来は無いと言って過言では無いだろう。

「なつかしBCL大全」も、そんな世代を対象に出版されたのであろうが、版元を知る者には、「またか・・」の言葉が口を突いて出そうになる。
つまり、「なつかしBCL大全」は、これまでの「BCL」をタイトルとした企画本の使い回しで、それも一回や二回では無いことがパラパラとページを繰っただけで分かる。今回は、山田耕嗣コレクションのCDが付いていたが、今さら格別に嬉しくも無い。

三十数年前のブームの時の事を、繰り返し回顧して居るだけで、内容的には、端折る事が有っても、付け足す事は既に無い。

過去を辿れば、2007年に発刊の「BCLラジオカタログ」は秀逸、2012年の「BCLラジオカタログ完全保存版」も同様に見栄えが良い。ジャンルは違うが、2012年発刊の「アマチュア無線機コレクションFT-101の時代」も出来映えがなかなか素晴らしい。

今回の「なつかしBCL大全」は、既刊の「BCLラジオカタログ」や「BCLラジオカタログ完全保存版」などのパクリと言うか?正にデッドコピー的で、目新しい事は無い。

これらの三冊はA4サイズだが、「なつかしBCL大全」はB5と小振りの版面になり、フルカラーにしては色鮮やかさに欠け、特に表紙は製版ミスか?最悪だ。これまでが素晴らしかった事もあり、チープさだけが際だって感じられる。

この手のモノは、直ぐコレクションに仕勝ちだが、既刊を持っていれば、書店での立ち読みで十分、敢えて買う必要も無いだろう。

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