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2012年7月24日火曜日

アナログ放送終了から丸一年、アンテナ交換工事が進む東京タワー

毎日、窓から眺めてきた東京タワーだが、その姿カタチは変わらない、変わるはずもなかった。
しかし、この春から、最上部にあるアンテナ交換の工事が本格的に始まった。前々から予定されていた地上波デジタルテレビ用アンテナへの取り替え工事だ。

昨年の東日本大震災の時の大揺れで、交換を予定していた最上部のアンテナの心棒がくの字に曲がってしまった。しかし、ちょうど一年前の七月二十四日のアナログ放送終了までそのまま送信は続けられた。

今年の春から、アンテナの下の部分に、工事用の足場囲い出来て、日を追う毎にアンテナが短くなるのが遠くからでも視認出来るようになっていた。

交換されるアンテナの心棒は、短く切断して地上に降ろすらしく先週末には、遂に見えなくなった。

どんな様子なのか、今日になって芝公園まで行き、タワーを見上げてみると、少しだけアンテナの先端が見えていた。恐らく新しいアンテナの先端らしい。
気象条件が良ければ、八月中には新しいアンテナの心棒が設置され、元の333メートルに戻るらしい。
それまで、五十数年も見慣れた自分には、何とも格好悪い姿を毎日眺める事になりそうだ。

2012年7月22日日曜日

やまとなでしこ、ロンドンに咲け

書店のスポーツ誌の書架、澤 穂希と三浦知良のツーショットの表紙に足が止まった、

スポーツグラフィックの "Number" だった。ロンドンオリンピックも直ぐ間近で、各競技のトップアスリートが試合に臨む抱負を語っている。FIFA World Cup 2011 以来、すっかり、なでしこジャパンに取り憑かれている?自分にとっては見過ごせない。

何と言っても、日本のサッカー界では、キングとクイーンとも言える二人だ。

二人の出会いは約20年前、中学1年生の時に読売サッカークラブ女子・ベレーザ (現日テレ・ベレーザ) に入団した澤は、すぐそばで練習する読売サッカークラブ (現東京ヴェルディ) のカズを憧れのまなざしで見つめていたと言う。今から思えば、運命的な出会いだったかもしれない。

十五歳で、カズは単身ブラジルに渡り、サントスとプロ契約、帰国後はJリーグの草創期の主役となり、国際Aマッチ89試合出場、歴代2位の55点を挙げている。現在、プロリーグで実働する日本の最年長選手でもある。

澤も十五歳で、女子日本代表デビューを果たし、'96年アトランタ、'04年アテネ、'08年北京五輪に出場。昨年のワールドカップで得点王とMVPを獲得。
今年一月、アジアの女子として初のバロンドールを受賞。先週のスエーデン戦では、360日ぶりのゴールで80点、男女を通じてトップの記録を自ら更新した。

表紙もさることながら、ページを繰ると、見開きで澤のクローズアップ、次の見開きページはカズとのツーショット。いずれもバックの色がイエローと言うかゴールドに見えて、はやくも気持ちは金メダル?

二人の対談では、サッカーへの情熱、日本代表の重み、年齢との戦いなど様々なことが語られている。
ロンドンは、日本女子サッカーの悲願であるオリンピック初のメダル獲得を目指す戦いである。しかも、ワールドカップとの連勝は、過去に例が無いだけに、なでしこジャパンの全身全霊を打ち込んだ試合を期待したい。

2012年7月20日金曜日

孤高のレシーバ SONYの "ICF-SW7600GR"

"ICF-SW7600GR" と言えば、知る人ぞ知る、ソニーの "FMステレオ/LW/MW/SW PLLシンセサイザーレシーバー" だ。同期検波と言うユニークな機能を搭載し、世界が認める正に孤高のラジオ、いやレシーバーと言える。

大昔は "全波受信機" と呼ばれたが、いま風に言えば、長波(LW)から中波(MW)、短波(SW)、それに加え、FMステレオも聴けるワイドバンドなレシーバーである。

今から三十数年前、中波や短波による遠距離受信、いわゆる、国内各地からの中波放送や海外からの国際放送を聴く、BCL(Broadcasting Listening)ブームが起こった。

当時、家電大手の各社が、このBCL用のラジオを競作し、ドンドン性能もアップ、それ以前では想像も出来なかったほど高性能のラジオが次々と発売された。
今から思えば、この一大ブームも長くは続かず、数年後には収束してしまった。

それから今日まで、何度かマスコミなどで取り上げられ、中年オトコの道楽?として、仕掛けられたが、往時のメーカーも素知らぬ顔?で、結局は何も起こらなかった。

正直なところ、リバイバルの兆候は定かではないが、根強いファンは居るようだ。
いま市販で、長波、中波、短波放送を聴ける "BCLラジオ" と呼べるモノは、ソニーの "ICF-SW7600GR" だけと言っても過言ではない。それも、BCLブーム時代のラインナップと比べれば、中程度のランクで、欲を言えば、もう一つ上のクラスが欲しいところだ。

しかし、これにも事情がある。
十年ほど前、この "ICF-SW7600GR" には、上位モデルも下位モデルもあり、全体としてバランスの取れたラインナップだった。
その後、次々と生産中止となり、品揃えの構成が崩れ始め、遂には、この "ICF-SW7600GR" と幾つかの下位モデルだけが生き残った、何とも悲しい現実がここにある。

AN-12
それなりの年齢になり、往時は買えなかったモデルでも、今なら買えそうだが、モノが無いのでは致し方ない。

無い物ネダリは無意味だが、今は座右に、この "ICF-SW7600GR" がある。
夜になると、日本全国の県庁所在地にあるAM放送や韓国、台湾、中国、極東ロシアなどアジア近隣からの短波放送も難なく聴くことができる。

昔はアナログ・ダイヤルだったから、周波数が合っているのか?常に心配しつつ、右に左にダイアルを繰ったが、今はダイアルもデジタル選局になり、その周波数で聴こえなければ、電波の伝播状態が悪いと判断して別の局を探すので、諦めと言うか決断も早い。

地元のFM放送やAM放送が良好に受信できるのは当然だが、鉄筋構造の集合住宅では、短波放送は全くダメ、FMもAMも雑音に邪魔されたりで満足な音にならないことも多い。
ソニーの尻馬に乗る積もりはサラサラ無いが、純正オプションのLW/MW/SWワイドレンジアンテナ "AN-12"は絶対に必要。これ無くして、感度が悪いなどとケチを付けるのは筋違いだ。携帯もそうだと思うが、電波は部屋の奥までは届き難いから外部アンテナは必須なのだ。

さて、この "ICF-SW7600GR" だが、
全世界で八十万台を売ったとされるソニーのICF-7600シリーズの現行モデルである。
初代のアナログ機 ICF-7600(1978年発売)から始り、ICF-7600A(1982) → ICF-7601(1988)、デジタル機は ICF-7600D(1983) → ICF-7600DA(1987) → ICF-SW7600(1990) → ICF-SW7600G(1994) → ICF-SW7600GR(2001)と、時代とともにドンドン進化してきた。

初代からの "7600" のサフィクスを受け継いでいて、ソニーの拘りが感じられるが、現行モデルも発売より十年余も過ぎていて、ソロソロ代替わりを期待するユーザーも少なからず居るように思う。
当のソニーがどう考えているか?分からないが、他社から調達しているキーパーツが、数年前から次々と生産終了になり、ソニーも腹を括る時期が近いようにも思える。他力本願だが、多くの "7600" ファンとともに朗報を期待したいところだ。


ICF-SW7600GR 取扱説明書

2012年7月18日水曜日

"ふかヒレ" みたいなルックスのFM/AMラジオチューナー

Mac/PCにUSB接続して、FMやAM放送を聴くことのできる Griffin Technology のFM/AMラジオチューナー "radio Shark" だが、つい最近、たまたま立ち寄ったリユースショップのハードオフで見付けて迷いもなく買った。

それは、アメリカ仕様で本体がホワイトカラー、五年前に新発売された日本向けはブラックだった。AMの受信周波数はどちらも同じ、FMの受信周波数が異なっている以外は共通仕様だ。

既に過去形で語られるが、この "radio Shark" の登場に触発されたかのように、その後、Mac/PCとUSB接続して聴くFM/AMチューナーがたくさん登場した。

しかし、その後、急激に衰退して行った。
NHKの "らじるらじる" や民放の "radiko"など、ネットでラジオがライブで聴けてしまう時代になってしまったからである。

確かに、時代の移り変わりに合わせて、ラジオを聴くスタイルが変わったと言える。ネットに接続出来れば、雑音や混信などで邪魔されることが無く、いとも簡単にラジオが聴ける。

既に、日本仕様のモノを使っていたので、ドライバーもインストール済み、これをUSBで接続すると直ぐにラジオが聴けた。
しかし、今さら、これでラジオ放送を聴く積もりは無いが、商品名の "radio Shark" の如く、形状が正に "ふかヒレ" みたいなルックスは、遊び心を喚起するに十分だし、インテリアにでもしておこうかと考えている。

2012年7月5日木曜日

「サラダ記念日」から25年、「風が笑えば」刊

たまたま立ち寄った書店で、背表紙の「俵 万智」の名に気づき手に取ってみた。久しく忘れていた歌人だ。彼女の歌集「風が笑えば」だったが、かって、ミリオンセラーになった「サラダ記念日」の刊行から、何と25年目のことになるようだ。

2009年3月~2011年12月にかけて「婦人公論」に連載された「うた便り」などからの抜粋と東日本大震災後の日々を綴った書き下しエッセイが収録されている。

「春」 「夏」 「秋」 「冬」という四季に分かれ、奥宮誠次による写真に、俵 万智の短歌が添えられるという構成になっている。

俵 万智によると、初めに奥宮の写真ありきで、それぞれの写真に合わせて短歌を詠んでいるそうだ。
日々、凡人が遭遇しそうな身近な体験話が綴られている。彼女風の独特の韻を踏むような文字面に、幾度か視線が上下するのもご愛敬か?  夏の章に、

はつ夏に金魚の赤を点じれば翡翠の色に水は輝く
瓢箪が手足を伸ばす日盛りに風起こしゆく夏の少年

俵 万智は、何故か?普段はあまりお目に掛からない難読?な熟語を用いることも多く、シバシバ読みに詰まるが、かえって意味深い。

ちょうど真ん中くらいのページ、お台場の文字に手が止まった。モノクロの見開きページだが、レインボウブリッジをバックにしたお台場海浜公園の夜景である。そこには、

見詰め合うことよりも同じ風景を見るということお台場の夜

海浜公園のウォークボードの端に寄り添って座るカップルの視線の先にレインボウブリッジがある。

お台場へ行った人なら誰でも、此処でシャッターを切る程のビューポイント。
しかし、何だか変だな・・・暫しあって納得。この写真は裏焼き、要するに、左右が逆になっている訳だ。奥付によると、奥宮誠次はプロの写真家らしいが、プロがこんな事をするのか?する必要が有ったのか?

お台場は、私の散歩コースのヒトツで、景色にも拘りを持っていて、この写真にガッカリした。しかも、更に子細に写真を眺めると、レインボウブリッジのバックに在るはずの、沢山の高層ビルも、多くが写っていない。

数年前より、もっともっと前の撮影か?あるいは、レインボウブリッジを際だたせるために、消してしまったのか?いずれにせよ、プロのやることではなそうだが・・・
久しぶりの俵 万智の歌集にワクワクしただけに、ここだけは、後味の悪い思いが残った。


この味がいいねと君が言ったから7月6日はサラダ記念日……「俵 万智」


「考証」

同じ場所で撮った写真。本の写真が裏焼き(左右が逆)であることが確認できる。