中央がスピーカ、四辺形のコイル |
パッケージの大きさに比べて意外と軽く拍子抜けでしたが、これが真空管ラジオのキットかと思うとわくわくドキドキの気持ちです。
この真空管ラジオは 三球再生検波方式のものです。再生検波方式は、真空管ラジオが登場した時代から昭和二十年代までよく使用された回路です。なお、「三球」とは「三本の真空管」の意味で「球」は真空管のことを指しています。
昭和三十年代から四十年代初めまで、私もGT管やST管、MT管の並三ラジオや並四ラジオそして高一ラジオなど、半田鏝を片手に、作っては壊し、作っては壊しの時代がありました。
パッケージ背面 |
パッケージ正面 |
当時、MT管(電池管)によるものは、五球スーパーラジオとして電池により動作させる携帯用ラジオとして、お弁当箱サイズのラジオを持って歩く事がステータスでした。それも何時しかトランジスタ式の小型軽量のラジオに置き換わって行きました。
そんな意味では、このキットも電池式ですから、外へ持って出てもラジオを聴取出来ますが、この形状では、ちょっと勇気が要りそうな気がして・・・
今回のキットに使用しているMT型真空管は三十年くらい前の中国製の電池管、1K2で再生検波、1B2と2P2(または3S4)の2本の真空管で低周波増幅をしてスピーカーを鳴らします。
左から真空管1K2、1B2、2P |
AC100Vで動作させる様にするとパワートランスや整流回路など回路的に複雑になることと、その分だけ大きく重くなること、感電などの心配があることなどの理由から電池式にしたのでしょう。また、電池は汎用性がありどこでも入手可能なのがよいと思われます。
回路的に見ていくと、イヤホンで聴く時にイヤホンプラグを差し込むと、低周波増幅管(2P2)のヒータが消灯して、その分だけ単二電池の電流を少なくでき、いわゆる省エネ指向の設計も頷けます。
また、この再生式のラジオでは音量調節のボリュームがありませんが、再生の度合いを加減を調節することにより副次的に音量の加減をしています。
なお、この再生の度合いの調節は、豆バリコンと称して当時は小型バリコンが使用されるのが定石でしたが、今回は入手困難?なこともあり、コイルと並列にボリュームを接続し代用しているようです。
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