FM/SW/MW/LW Receiver ICF-SW11 と名称だけは立派そうだ。
座右に置いてちょっとだけ聴く為のラジオは幾つかある。
今回のモノは、安価な?ラジオではあるが、AMやFMはもちろん、LW(長波)やSW(短波)も聴ける12バンド切替だ。
最近の小型ラジオの殆どがPLLシンセサイザー方式のデジタルチューニングだから、ワンタッチで選局できる。しかも、受信周波数は液晶表示されるが、これは昔ながらのアナログチューニング方式で、ダイヤルつまみをグルグル回し、周波数目盛をガイドにダイヤル指針を合わせて選局する。
FM/SW/MW/LWレシーバー ICF-SW11 |
最近のデジタルチューニング式は、電池を入れ、まずは時刻合わせ、次に自分の地域を指定し、受信可能な放送局を一括プリセットする、いわゆる、初期設定の儀があって、初めて受信が可能となる。
しかし、このアナログチューニング式では、電池を入れ、スイッチオンで即受信が可能、昔ながらの家電製品の面影を色濃く残している。
外観は、このダイヤルつまみと音量つまみ、放送バンド切替用のスライドスイッチ、それと電源スイッチという、至って簡単な作りだ。
因みに、受信周波数は、
LW(長波): 141-290kHz
MW(中波): 525-1620kHz
SW(短波): 2,300-26,100kHz (13放送バンドに対応)
FM(超短波): 76-108MHz
LW(長波)は、日本での放送利用は無いが、ヨーロッパでは、波長の関係で、遠くまで届くらしく、国境を越えて移動するカーラジオでも聴かれているようだ。日本では希に極東ロシヤからの放送が聴けることもありだとか。
MW(中波)は、言わずもがなで、525-1620kHzの間で放送していて馴染み深い。世界中の放送局が、この周波数帶で放送していて、隣国からの混信に悩まされる地域も多々ある。
逆に、このMW(中波)で、日本向けの日本語による放送をしている局もあるくらいだ。韓国や中国による、正しく国際放送とも言える。
FM(超短波)は、もちろんFM放送だ。しかも、受信周波数帶がワイドバンドで、上半分は、アナログTVの音声受信用として日本では利用されていた。しかし、地デジ化でこの周波数帶は、将来的に他の無線局あるいは放送局、携帯局に割当が決まりつつあり、このラジオでは聴取できない。しかし、他国では、ここでFM放送が行われている。
SW(短波)は、海外の放送局の受信が主である。短波は、その名の示すように、放送する電波の波長が中波に比べて短く、遠くまで届く可能性を秘めている。
国際的な取り決めで、放送する周波数帶が決められている。その放送帯域を簡潔に表す為に、その電波の波長(メートル単位)で呼称している。
ソニーのデータから一部を拝借すると、
メーターバンド(ICF-SW11の場合) 周波帯(kHz) 主な放送局
120mバンド 2,300-2,495 熱帯地方のローカル局
90mバンド 3,200-3,400 熱帯地方のローカル局
75mバンド 3,850-4,050 ラジオNIKKEI
60mバンド 4,750-5,060 熱帯地方のローカル局
49mバンド 5,900-6,200 ラジオNIKKEI, ラジオ韓国, VOA
41mバンド 7,100-7,350 ラジオ日本, BBC, VOR, 中国国際放送
31mバンド 9,400-9,990 ラジオ日本, ラジオNIKKEI, BBC, VOA, ラジオ韓国
25mバンド 11,600-12,100 ラジオ日本, BBC, VOA, DW
22mバンド 13,570-13,870 ラジオ韓国, オランダ放送, ラジオフランス
19mバンド 15,100-15,800 ラジオ日本, VOA, BBC, ラジオフランス
16mバンド 17,480-17,900 ラジオ日本, BBC, VOA, ラジオオーストラリア, DW
13mバンド 21,450-21,750 ラジオ日本, ラジオオーストラリア, DW
11mバンド 25,670-26,100 ラジオフランス
短波での受信状況は、周波数や、時間帯にもよるし、送信所からの距離とか電波の伝播状況が電離層の影響を受けることもあり、常に安定で良好とは言い難い。同じダイヤル位置で、昨日はよく聴こえても、今日は良くないことも日常茶飯事だ。
諸々の影響を、自己の知恵と工夫で何とか受信しようとするのが、いわゆるBCL(遠距離放送受信)の醍醐味とも言える。そんな意味では、この ICF-SW11 は、そのエントリーモデルと言える。
性能もソコソコだし、目的の局を探し当てて聴くと言うよりは、強くクリアーに受信出来る局を聴くことから始めるのが定石だろう。
更に興味が増せば、ソニーの上位モデル、ICF-SW23 とか ICF-SW35、ICF-SW7600GR へチャレンジする機会が無きにしも非ず。
自分としては、これに多くを期待していないが、座右に置いてちょっとだけ聴くには、これまでのモノよりスピーカーが大きくて聴き易いのが良いと思う。
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