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2012年10月12日金曜日

何で今頃、「吉田拓郎ライブコンサート・インつま恋'75」

前代未聞の大規模オールナイトコンサートになった「吉田拓郎ライブコンサート・インつま恋'75」。1975年8月2日~3日、静岡県掛川市つま恋多目的広場で開催されたが、今となってはレジェンド?として語られるほどの超ビッグライブコンサートだった。

1975年と言えば昭和50年だ。その頃、何をしていたのか?自分の人生に重ね合わせて見ると、幼子との三人家族、何事をするにも力が入っていた時代だった。
当時、拓郎のファンは、いわゆる団塊の世代が中心だったと思う。自分は、拓郎より、かぐや姫やオフコース、チューリップの追っかけ?だったが、何となく拓郎も悪くはないと思っていた。

CDが登場する十年ほど前の時期でもあり、セルズの音源はカセットテープとレコード。いずれも高価で、買い揃える訳にもいかなかった。
だらか、当時は、誰でもエアーチェックに熱心で、毎日、番組表と首っ引きでライブ番組やミュージック番組を、カセットテープに録っていた。

先月、拓郎の "つま恋'75ライブ" が CDとして発売された。
何で 37年も経った今になってなのか?その意図は全く分からないが、初回仕様限定盤が出た。今どき、初回限定の特典が、紙ジャケット仕様とは、先祖返りの積もりにしてはチープな企画だ。

4900字と言われるライナーノーツが折り畳んで入っていたが、文字が細か過ぎて読む気にもならない。この CDを買う世代を考えているのか?甚だ疑問、編集者の思慮の無さ?だろう。

九月発売だったが、近くのJR駅前のTSUTAYAで聞いたら、お取り寄せしますと素っ気ない返事。達郎の新譜のポスターは貼ってあるのに、拓郎は無しかと思った。

急ぐ訳でも無いと、十月になってから、秋葉原へ行ったついでに、タワーレコードへも寄ってみた。
カウンターで聞いたら、少数在庫があるはずと応えつつ、奥に消えたが、暫くして CDを片手に小走りで戻って来た。何とかゲットしたが、棚にはソレが無く、拓郎も、既に過去の人か?

この CDには、つま恋'75ライブで拓郎が歌ったとされる 59曲からの 10曲とリハーサル音源 1曲が収められている。どの様な基準で選りすぐったのか?私の好みからすれば、"三軒目の店ごと"、"されど私の人生"、"君去りし後"、は別の曲に差し替えて貰いたいくらいだ。収録曲は、
 1. 僕の唄はサヨナラだけ (リハーサル) (Mono Rec)
 2. ああ青春
 3. 春だったね
 4. 今日までそして明日から
 5. 夏休み
 6. 襟裳岬
 7. 三軒目の店ごと
 8. されど私の人生
 9. 君去りし後
 10. 落陽
 11. 人間なんて
全曲が、デジタル・リマスタリングだが、正直言って、音質が良いとは言えない、当時の収録方法や録音機材からすれば、これがベスト録音だったのかも知れないが?今となっては貧相に聞こえる。

何故か一曲目の "僕の唄はサヨナラだけ" はリハーサル音源で、しかもモノラル。AM放送を聴いている様なデッドな感じで、初っ端からテンションが下がった。二曲目の "ああ青春" から、叫びとも呼べる喉嗄れ声のクライマックス "人間なんて" まで一気に聴いてみたが、前宣伝にある臨場感が豊かとは言い難い。ライブの拓郎を感じたのは、延々と繰り返す「人間なんて」のフレーズのところだけ。

そう言えば、この CDでは、あれが聴けなかったな、「朝までやるよ〜」、 これなくして、「つま恋」は語れないのだが・・・

最後に、総括すれば、既に拓郎の CDを持っているなら、敢えて買うに値しないモノだった。
しかし、6万余の若者達が夜明けまで何十分間もの大合唱を続けた、その熱狂とセンターマイクの拓郎との一体感は、今にして思えば、正にフォークという時代の高まりだったのかもしれない。

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