往年の35mmフィルム式カメラを連想させるようなフォルムですが、スペックは超弩級?で、並のデジカメと比べようが無いほどの代物です。
富士フイルムの FinePix X100 |
大型センサーを搭載し、プロと熱心なセミプロ向けのデジカメと評価されていますが、発表されている画像では、素人でも操作で悩むことは特に無さそうに?思えます。
ただし、価格については、当初は並のデジタル一眼並みと私自身は過小評価していましたが、最近の市場予想では十三万円前後あり、ハイエンドのデジタル一眼と肩を並べるクラスのようです。
この "FinePix X100" は、APS-C CMOSセンサー、富士EXRプロセッサー、そして23mm F2フジノンレンズ(135換算35mmの準広角)の固定焦点式を採用。
特に注目すべきは光学ファインダーと電子式ファインダーを切り替えることができる新しい"ハイブリッドビューファインダー"システムで、光学ファインダー上に詳細な撮影情報を表示することができること。
動画は720pのHD動画、液晶モニタは2.8インチ46万ドット。
上部と下部はマグネシウム合金を用い、上部にはダイヤル式のシャッタースピード切換ダイヤル、露出補正ダイヤル、シャッターボタン、鏡胴にはクリック付きの絞りリングが付いた古典的なスタイルで、35mmフィルム式カメラの時代を経てきた者には強く惹かれるモノがあります。
発表されているスペックは、
1230万画素APS-Cセンサー、動画は1280×720ピクセルのHD動画、音声はステレオ、レンズは23mm F2フジノンレンズ、絞り羽根は9枚、最短撮影距離10cm、3段分のNDフィルター内蔵、AFはハイスピードコントラスト、AF ISO200-6400(拡張でISO100-12800)、シャッタースピード30秒~1/4000、露出モードはPASM、連写は5コマ/秒、光学ファインダーは倍率0.5倍、視野率90% EVFは144万ドット液晶、液晶モニタは2.8インチ、46万ドット、 メディアはSD/SDHC/SDXC、大きさ127×75×54mm
何と言っても、早く現物を間近に見るのが楽しみであり、価格も気になるところですが、デジカメとして最後の一台の買い物に相応しいと思っています。
余談ですが、
この "FinePix X100" の広報資料を見た時に直ぐに連想したカメラがあります。今から半世紀も前、富士フイルムの前身だった富士写真フィルムから発売された 35mmフィルム式カメラ "FUJICA 35M" です。
FUJICA 35M |
右手だけでチャージ、ピント、レリーズを行える設計がコンセプトです。シャッター速度と絞りは鏡胴リングで設定、パララックス自動補正式ブライトフレームファインダーが付いていました。
1957年(昭和32年)秋の発売、私が買ったのは昭和34年の夏頃で、(当時の大卒の初任給を超える) 15,900円でした。
余談ですが、何故か手元に残った同時期の未改札乗車券によると、山手線神田駅から品川駅までの運賃は10円、今この区間は160円です。
神田駅から品川駅までの当時の乗車券 |
カラーフィルムは、この一、二年前に、富士から35mmネガカラーフィルム(20枚撮りASA32)が、現像料込みの650円で新発売になりました。しかし、高くて専ら富士の白黒フィルム "ネオパンS" を常用していたと思います。
感度もASA50 今のJIS50相当で、レンズが45mmで開放値がF2.8でしたから、暗いところでの撮影は苦手でした。それでも、この性能で競合他社と肩を並べるくらいの実力があり、何かに付けて持ち歩いた思い出があります。
この "FUJICA 35M" は当時の富士写真フイルムが出した初の35mmカメラで、国内グッドデザインに選定され、1958年のベルギー万国博でも銀メダルを受賞しています。
そんなカメラのイメージを色濃く継承したような "FinePix X100" が、間もなく登場することに、ただただ懐かしく、今さらにこの35mmフィルム式カメラ "FUJICA 35M" のイメージを重ね合わせてしまいました。
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