"ジェットストリーム"は、現在のTFM(TOKYO FM)の前身だった "FM東海" が実用化試験局であった頃から聴いていた。スポンサーは、放送開始当時からJAL(日本航空)一社による提供番組で、演出面などにおいても、JALと深い関わりを持つ番組だった。
放送は毎週、月曜日から金曜日深夜0時から1時までの放送で、世界各地の風物をセンス良く語り、次第次第にリスナー自身がその世界へ引き込まれて行った。
特に、オープニングの "ミスター・ロンリー"(Franck Pourcel Grand Orchestra)とエンディング の "夜間飛行" (Raymond Lefèvrel Grand Orchestra)は、いつまでもリスナーの心に残るモノであり続けると思う。
初代ナレータ(機長)は、プラチナの低音の持ち主と言われた城 達也。イージーリスニングに相応しい緩やかなストリングスメロディーをバックに、世界各地の街角をロマンチックなナレーションで紹介する深夜の一時間。
夢の世界へ誘うようなその声で、多くのリスナーを魅了した。FM番組としては異例、27年間のナレーションを務め1995年に惜しくも他界された。
二代目は城 達也の路線をおおむね踏襲した同じ事務所の後輩 小野田英一だった。三代目は、女性ナレータが登板したが、番組の企画から構成までスッカリ変わり全く別番組?の様で、自分としては、この時点で、ジェットストリームを聴かなくなった。
その後、専ら聴いたのは、渋谷の "TUTAYA"でレンタルした CD(八枚)からダビングした CD-Rからだったが、最近は iTunesに取り込んで聴くとはなしに聴くスタイルに変わった。
しかし、曲目の順を覚えてしまうくらいの回数を聴いたように思うし、正直言って聴き飽きた?ので、新しいモノを探した。
iTunes Store には十五枚くらい有ったが、これは ディスカウントセールで iTunes Cardを仕入れてからと後回し。大手のCDショップでは扱っていないので、仕方なく amazon で十枚組を発注したが、一両日で届いた。
これで、当分はジェットストリーム三昧だ。
いま "ミスター・ロンリー" を聴くたびに、城 達也あってのジェットストリームであり、ジェットストリームは城 達也なしには語れない不即不離のものだと思う。故に、彼こそ永久にリスナーの心に残る名パーソナリティーに違いない。
オープニング・ナレーション
遠い地平線が消えて
深々とした夜の闇に心を休める時
遥か雲海の上を音もなく流れ去る気流は
たゆみない宇宙の営みを告げています
満点の星をいただく果てしない光の海を
豊かに流れゆく風に心を開けば
煌く星座の物語も聞こえてくる
夜の静寂のなんと饒舌なことでしょうか
光と影の境に消えていったはるかな地平線も
瞼に浮かんでまいります
これからのひと時
日本航空があなたにお送りする
音楽の定期便 ジェットストリーム
皆様の夜間飛行のお供を致しますパイロットは
わたくし城達也です
エンディング・ナレーション
夜間飛行の
ジェット機の翼に点滅するランプは
遠ざかるにつれ次第に星のまたたきと
区別がつかなくなります
お送りしておりますこの音楽が
美しくあなたの夢に溶け込んでいきますように
日本航空がお送りした音楽の定期便 ジェットストリーム
夜間飛行のお供をいたしましたパイロットは
わたくし城達也でした
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