家電店に望遠鏡とは少々違和感があるが、現状を知れば納得する。
そもそも、この店舗のカメラ売場は、一般ユーザー対象のモノ以外に、プロのカメラマン向けの機材も半端ではない位の品揃えだ。その延長で天体望遠鏡や双眼鏡などの陳列スペースもかなり広く、メーカーからの出向社員も半ば常駐していて、専門的なアドバイスも貰える。
前々から気になっていた売場で、毎度毎度、眺める程度でいたが、この時ばかりは、店員の説明に気持ちが傾き、薦められるままに双眼鏡を買ってしまった。
VIXEN BR6x30WP |
Nikonの 6x18 8°と PENTAXの 7x21 8°の二台。
いずれもコンパクトタイプで、主としてアウトドアでの用途に使っている。
今回のモノは、星座や明るい星々を対象にした初心者用で、正に、スターウォッチング的な使い方である。
もっとも、都心の夜空は、光害や大気のコンディションが普段からあまり良くないので、明るい星しか見えないが、肉眼より少しは期待できると思う。
それで、実売で一万円位のモノを薦められ、Vixen(BR6x30WP) 6x30 8°に決めた。
正に、初心者用であり、来月中旬に接近するパンスターズ彗星にタイミングを合わせて、一月末に新発売になったモノらしい。
双眼鏡には、ダハプリズム式とポロプリズム式の二つがあるが、今回のモノは昔からある典型的な外観のポロプリズム式だ。重量は 500gほどあり、これ以上だと重くて扱いが大変になりそうなので敬遠した。
しかし、このところ、天候不順な日が続き、今日は雪まで舞う始末で出番が無い。
晴れれば、取りあえず、オリオン星座とシリウス、プロキオン、アルデバラン、プレアデス、それと木星がターゲットになりそうだ。いずれも、冬の代表的な星々で、やがて木星がその姿を消し、土星が入れ替わって夜空にデビューするはずだ。
今は晴れ上がるのを待っているが、照る照る坊主でも作るか?
話しはそれるが、
売り場に居たメーカーの出向社員と話しているうちに「五島プラネタリウム」が話題になった。
五島プラネタリウムは、渋谷駅前、東急文化会館の八階にあり、屋上の半球ドームは遠くからも見え、このエリアのランドマークであった。
何故に「五島」なのか? プラネタリウムのあった東急文化会館のオーナー、東急電鉄の当時の会長だった「五島慶太」の姓が、その由来であると聞く。
五島プラネタリウムの番組は、1回が約1時間で、平日は6回位、土日祝日は7回位あったはず。
平日には、児童や生徒を対象にした学習投影が行われ、日曜日には「親と子の天文教室」、土曜日は「星と音楽の夕べ」も企画されていた。
特に、話しが盛り上がったのは「星と音楽の夕べ」、遠い記憶では、毎週土曜日の最終回の番組だった。時々刻々と投影される星空を見上げながら、FM東京の深夜番組、ジェットストリームで放送された、夢幻飛行や星のセレナーデのような柔らかなサウンドがドームに響き、実に良い雰囲気だった。
しかし、この番組だけは、いくら星好きでも、独りで行くのは憚られ、四百数十席の殆どが若いカップルで占められていた。恐らく、この方と同世代だったのか?偶然ながら、同じ思い出に意気投合?往時を懐かしく思い出した。
残念なことに、この五島プラネタリウムは、渋谷地区の再開発で2001年に閉館。その数年後、東急文化会館そのものも取り壊された。それから十年余、大型商業施設ヒカリエとしてリボーンしているが、ここにプラネタリウムが在ったことすら知らない人々で賑わっている。
正に、強者どもが夢の跡・・・
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