Translate

2015年7月4日土曜日

「エアーチェック」と言うコトバは死語になったが、

忘れかけていた「FM fan」を書棚から取り出してみた。
「エアーチェック」と「FM fan」で反応する人は、私とその時代を懐かしく共有できるはずだ。

手元の実物は、それ相当の年月が経過し、退色しているが、表紙右上に、
NO.1 7/1 1966 とある。左側には、
座談会 あすのFM放送 NHK FM放送番組<7/4~7/17> 創刊号 と読み取れる。

FM fan 創刊号
当時の共同通信社が発行したFM放送の番組表を掲載した雑誌だ。
これは、正しく創刊号で、指折り数えれば四十九年前の今日7月4日から二週間分の番組が載っている。

発行日付は1966年6月30日、今さらに知ったがビートルズが初来日した日に、日本初のFM雑誌が誕生した。

この頃、NHK FMは、まだ試験放送の時代だったが、AM放送より遙かに音質が良くて、レコード一枚丸ごとが番組内で聴くことができるという、それまでには無かった聴き方が評価された。

FM放送のファンが増えるにつれ、放送日時がわかる番組表、具体的には曲名とか演者、演奏時間とかの問い合わせが、NHKに殺到したそうだ。
そんなFM放送のリスナーのリクエストに応える形で発行されたのが「FM fan」だったと言える。
その後、民放FMが次々と開局し、先行する「FM fan」を追うように、FM雑誌が次々と創刊された。

リスナーも、番組をライブで聴くに留まらず、FMチューナーやアンプと共に、オープンリールのテープレコーダーやカセットテープのレコーダーで番組を丸ごと録音することが流行、一大ブームともなった。
しかし、四六時中、放送を聴ける訳ではないので、この番組表を頼りにタイマーをセットする、いわゆる留守録が当たり前になった。

右ページの上の囲み罫の中が7月4日の番組表

つまり、放送を録音することを、この当時は「エアーチェック」と称していたが、1980年台半ばから、高品位の CDが安価に入手できるようになり、急激に衰退してしまった。

現世では、まだまだ CDは存在するが、誰でも高品位の音源をネット経由で気軽に入手できるため、「エアーチェック」と言うコトバは死語化して三十年余の時が過ぎた。

0 件のコメント:

コメントを投稿