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2008年7月14日月曜日

"JET STREAM" の全面広告に往時を懐かしく思い出しました。

日曜日の朝刊の最終ページは何と "JET STREAM" のCDの通販広告、それもフルカラー1ページものでした。この「ジェットストリーム」は、1967年(昭和42年)、当時は東海大学のFM実用化試験局だった "FM東海" から放送されたFM音楽番組です。

ジェットストリームの放送が開始された頃の "FM東海" が実用化試験局であったことからも分かる様に、日本国内でのFMの本放送はだいぶ先の事で、東京都内で受信出来たのは、同じ実用化試験局のNHK FM(東京)とこの "FM東海" だけでした。

当時、FM受信機を持っている人はごく僅か、自作の人も居たくらいで、ましてや、電波の届く距離も短く、東京の隣接県では高利得のアンテナがないとFM放送の受信は出来ませんでした。


このジェットストリームは、1970年(昭和45年)4月から "FM東海" を引き継いで開局した民放 "FM東京" にバトンタッチされて放送を続け、2004年11月25日に放送1万回、昨年7月3日に放送40周年を迎えた正にFMの長寿番組です。

スポンサーは、ご存じの方も居られると思いますが、放送開始当時からJAL(日本航空)一社による提供番組で、演出面などにおいても、JALと深い関わりを持つ番組です。

放送は毎週、月曜日から金曜日深夜0時から1時までの放送で、世界各地の風物をセンス良く語り、次第次第にリスナー自身がその世界へ引き込まれて行く思いでした。

特に、オープニングの "ミスター・ロンリー"(Franck Pourcel Grand Orchestra)とエンディング の "夜間飛行" (Raymond Lefèvrel Grand Orchestra)は、いつまでもリスナーの心に残るモノであり続けると思います。

初代ナレータ(機長)は、プラチナの低音の持ち主と言われた城 達也さん。イージーリスニングに相応しい緩やかなストリングスメロディーをバックに、世界各地の街角をロマンチックなナレーションで紹介する深夜の一時間。夢の世界へ誘うようなその声で、多くのリスナーを魅了しました。FM番組としては異例、27年間のナレーションを務め1995年に惜しくも他界されました。

二代目は城さんの路線をおおむね踏襲した同じ事務所の後輩 小野田英一さん、三代目は森田真奈美さんですが、番組の企画から構成までスッカリ変わり全く別番組の様で不評?でした。
そして四代目、現在の機長(ナレータ)は俳優の伊武雅刀さん。城さんの語りにも似た安らぎのあるナレーションと選曲でロマン飛行を続けていて、FM放送の最長番組として現在も記録を更新しています。

私は "FM東海" 時代からのジェットストリームのリスナーです。
その後、本放送が始まった "FM東京" 時代からはエアーチェックしたジェットストリームのカセットテープの幾つかを保存していますが、いま専ら聴くのは、十年ほど前に "TUTAYA"でレンタルしたCD(複数)をダビングしたCD-Rからです。
しかし、それも最近はiTunesに取り込んで聴くとはなしに聴くスタイルに変わりました。

"ミスター・ロンリー" を聴くたびに思うことは、城 達也あってのジェットストリームであり、ジェットストリームは城 達也なしには語れない不即不離のものとして、永久にリスナーの心に残る名パーソナリティーでしょう。



オープニング・ナレーション

遠い地平線が消えて
深々とした夜の闇に心を休める時
遥か雲海の上を音もなく流れ去る気流は
たゆみない宇宙の営みを告げています
満点の星をいただく果てしない光の海を
豊かに流れゆく風に心を開けば
煌く星座の物語も聞こえてくる
夜の静寂のなんと饒舌なことでしょうか
光と影の境に消えていったはるかな地平線も
瞼に浮かんでまいります
これからのひと時
日本航空があなたにお送りする
音楽の定期便 ジェットストリーム
皆様の夜間飛行のお供を致しますパイロットは
わたくし城達也です

エンディング・ナレーション

夜間飛行の
ジェット機の翼に点滅するランプは
遠ざかるにつれ次第に星のまたたきと
区別がつかなくなります
お送りしておりますこの音楽が
美しくあなたの夢に溶け込んでいきますように
日本航空がお送りした音楽の定期便 ジェットストリーム
夜間飛行のお供をいたしましたパイロットは
わたくし城達也でした

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