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2006年8月4日金曜日

車載用のスピーカーがブラウン管に災いして

物置の整理の途中で出てきた車載用の小型スピーカー。元箱にキチンと納められ二十年ほど静かに眠っていたようです。

1980年代半ばのケンウッド製で、形の割にパワーがあり、ちょっとボリュームを上げると腹に響くような迫力に酔いしれていた時代がありました。

シッカリと音を聞くときは同じケンウッドの25cm/10cm/5cmの3-Wayの大きめサイズの箱の奴で聴きますが、何かしながら聴くときは専らこれでした。
その後、部屋の模様替えなどで居場所を失い、いつしか奥の方へ押し込まれていたようで、自分自身もその存在すら忘れていたほどの可哀想なスピーカーです。

車載用なのに、何故か机の下、足下に置かれていて、家具に囲まれるような状態ながら、そこの閉じられた空間が音場再生に効果があり?下から湧き上がる様に音が伝わってきました。
スピーカーは3-Wayで、
  Woofer 10cm
  Mid-Range 4.5cm
  Tweeter 2.5cm
瞬間最大入力は50Wながら重量は1.1kgと軽くコンパクトに出来ています。

車載用のスピーカーのパワーの源は駆動用の大きな磁石に因るところが大きいと思います。しかし、この磁石から出る強力な磁力線が思わぬところで災いの元になっていました。

デスクの足下にこのスピーカーを置き、省スペースにもなるし有り難いと思っていました。
それから数ヶ月が過ぎたある日、部屋の模様替えでデスク上に移動した一台のパソコンの電源をONすると、いつも見慣れたオープニング画面が歪んで、しかも発色もとんでもない色合いになりビックリしました。

最初は、パソコンが壊れたか?とドキドキしましたが、キーボードからの入力に対して、それなりに反応しているので、原因は別ではないかと推測しました。

何気なく足下のスピーカーを足先で動かしたところ、画面の状態が大きく変化することに気付き、直ぐに納得しました。今は液晶ディスプレーが一般的ですが、当時はブラウン管式モニターで、磁力線の影響をまともに受けていたようです。

ご存じの方もあると思いますが、ブラウン管の原理は磁力線により電子の流れを制御して画面を作っています。しかし、この場合は、外部から磁力線が影響して、ブラウン管内部の電子の流れが邪魔されて、正しく画面を表示出来ていなかった訳です。
それ故、やむなくスピーカーをその場から撤去する羽目になりました。

この場合、テレビでも同じ症状が発生したと思われますが、試すこともなく今日に至っています。現在、多くのご家庭では液晶式テレビかプラズマ式だと思われ、この様な症状にはならないと思いますが、未だブラウン管式をお使いの方は注意が必要です。そんなことを思い起こせば、このスピーカーの引退理由が今さらに分かった様な気がしています。

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