三十年弱ですが、いつも家族と一緒にあった、いま風に言う情報機器でした。
その間にも幾度か品川のソニー本社内にあるサービスステーションで修理もしましたが、未だに現役でした。当時としては洒落たデザインで、発色や輝度、解像度もそれなりに劣化しているのが分かっていても、チョット視には不都合もなく居場所を追われることなく今日に至っていました。
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当時は、俗に言う「AV」などと言う概念が無い時代で、テレビはお茶の間で家族が一緒に視聴する家電製品でした。
それをソニーはこの頃から、音声多重対応にして専用アンプとスピーカを組み合わせて「Formation」と名付け、テレビもステレオで楽しむコンポーネントとして普及させようとしていた様に思います。
また、テレビは家族の共有財産的な概念があったこの頃に、一人一台のコンセプトを具現化しようとしていた時代でもありました。我が家の「CITATION」KV-1375Dは、13型でしたが上部にシッカリと握れるハンドルが付き、更にそれに沿わせるようにロッドアンテナがあり、部屋の何処へでも移動し好きなスタイルでテレビを視ることが出来る仕組みでした。
いま思えば当時の13型にしては価格も高めの99,800円でしたが、ソニーならではのコンセプトが受け入れられこのKV-1375Dは「CITATION」シリーズの中核的な存在でした。
選局は「ジェットセンサー」とか言う、ソニーならではのプッシュスイッチよる切替で、当時一般的だったロータリー選局に無いスピーディーさもあり、何となくカッコ良い雰囲気でした。
しかし、それが後年になって仇となり、実は電子選局のプリント基板に問題があり、我が家では毎年梅雨時にはスイッチONで、まずモノクロ画像が現れ、内部が暖まる十五分ほどでカラー画像に切り替わる現象を経験していました。
ソニーに聞いたところ基板ごと交換すれば改善されるが、既に製造中止から十数年経っていて交換パーツもないと言われていました。
専用リモコンも無い時代のモノでしたが、それほど不便にも思わず今日に至っていますが、さすが地デジの時代に13型とは言えバカでかく、画質も地デジを視てしまうと何ともボケボケの画像に損をした気分にもなりました。
部屋のレイアウトを思いっきり変えたこともあり、遂に居場所を失い引退させることに決心しました。
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