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2008年8月14日木曜日

ベークカメラの定番だった?一光社の 「Start-35」

ふとした切っ掛けで、何十年もその存在すら忘れていたカメラが出てきました。
昭和二十年代から三十年代にかけて、当時の少年たちの憧れでもあったベークカメラ、一光社の "Start-35" です。ベークとはベークライトの略で合成樹脂のことです。ボディーがベーク製だったので、そのように呼ばれたのだと思います。

この "Start-35" は、当時の初心者用のカメラ、あるいはトイカメラとしては定番?だったと思います。サイズは、幅80mm,高さ55mm,奥行き50mmくらい。シャッターは<b>I</b>(インスタント、1/30秒程度)と<b>B</b>(バルブ)の二つだけ、ファインダーは素通しです。フィルムはボルタ判と呼ばれる裏紙つきの35mmフィルムを用い、装填は背面から、三脚穴も付いています。

当時のフィルム感度は、たしか、ASA 50(ASAってISOと同等)程度だったので、日中の太陽光が十分な時に撮ることで、そこそこの結果が得られた様に思います。もちろん白黒写真ですが・・・

初心者用のカメラとはいえ、子供の小遣い程度では買えるはずもなく、何年越しかの親との交渉?で年相応になった頃にやっと買って貰った様に記憶しています。
最初の頃はフィルムなど不用、素通しのファインダー覗きながらシャッターボタンを押すだけで満足でした。
カメラを所持した事自体が子供心にもステータスを感じ、級友に自慢話のひとつも出来た時代でした。もっとも、フィルム価格はそれなりに高価で、町の写真店へ頼む現像と密着プリントの費用も子供の小遣いではそうそう賄いきれない額でした。

今のデジカメの様に、とにかくたくさん撮って一枚でも二枚でもベストショットがあれば良いなどとは雲泥の差でした。何度もファインダーを覗き返し、息を凝らしてシャッターボタンを押す、自分の脳裏に思い描いた光景をフィルムに焼き付けた瞬間が至福の時でした。

しかし、それから幾星霜、プリントは何故か一枚も手許に残らず、正に強者どもが夢の跡のごとくカメラだけが今ここに往事の姿を留めています。



コメント(アーカイブ)


はじめまして。スタートカメラを検索していて辿り着きました。いやー、懐かしい姿です。
父が若い頃に一光社に勤めていて、私や弟は子供の頃、家にあったスタートカメラをおもちゃ代わりにして遊んでいました。
Posted by  あらき at 2009.1.12 16:54:09
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トイカメラ "Start-35" 以後、富士写真フィルムから "フジペット" と称する初心者向けのカメラが発売されました。
6X6判12枚撮りでシャッターは、I (1/50秒)と B の二つだけ、ファインダーは大きく長い筒型で0.7倍の透視ファインダーでした。絞りは  F11/16/22の三段階でX接点が付いて少しだけ大人のカメラにすり寄った感じでしたが、価格は1950円でした。
しかし、この当時、国鉄山手線の秋葉原駅から品川駅までの運賃が10円くらいでしたから、初心者向きにしてはベラボウに高価だったと思います。
Posted by  BlueMac at 2009.1.12 22:52:24
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やあ、本当に懐かしいカメラです。もう半世紀以上昔のことですが、小学校の頃、親にねだって買ってもらいました。真っ赤なフエルトタッチの箱に入っておりました。当時スタートカメラと呼んでいて、価格は500円だったことを覚えております。本革の茶色のケースもありました。沢山の写真を撮りました。カメラはもうありませんが、ネガもどこえやら。生まれて初めてのカメラでした。今も、趣味でカメラをいじっていますが、時々このカメラのことを思い出しておりました。偶然このサイトで再会して、あの頃のことが色々思い出されます。
Posted by  とも at 2010.6.15 20:32:06
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