Translate

2010年6月10日木曜日

百万円を積んでも買えなかったマックでしたが、

私が MS-DOSからマッキントッシュへ転向する切っ掛けを作ったのが Macintosh IIfx でした。

このマックだけは、思い入れも深かったのですが、増え続ける退役マックで、我がウサギ小屋がますます手狭になり、遂にリサイクル処分することにしました。

今から二十年も前のこと。
MS-DOSが、640kBの呪縛から何とか逃れようと EMSとか XMSなどで試行錯誤していた時代、1990年3月、世界最速のスペックながら、何故かヒッソリとデビューしたこの Macintosh IIfx 。

FDDモデルの他に 80MBと160MBのハードディスクモデルもあり、それぞれ、約146万円、約168万円、約180万円もしました。


今で言うBTOで、筐体の内部にはロジックボード(Winではマザーボード)とパワーサプライだけがあって、後はユーザーのお好みで、グラフィックボードやFDD、メモリーカード、HDDなどがチョイス出来ました。

同じ年の秋に発売になった NECのノートパソコン PC-9801NS の市場価格はたしか 25万円くらい、今の売れ筋の MacBook Proは約 17万円ほどで、価格だけで比べても桁外れのパソコン、いやマックでした。

恐らく、量産型の歴代のマックで、こんな、べらぼ〜な価格は、後にも先にもこの Macintosh IIfx だけ、今後も無いと思います。

CPUにモトローラの32ビット 68030を採用し、バスクロックは 40MHz、キャッシュを標準で装備。このモデルだけの 64ピンSIMM(多くが 1MB x 8を実装)と SCSI DMAによる高速 SCSI。更にマウスを繋ぐ ADBや FDDの読み書きとシリアルポートのコントロールに専用プロセッサーを二個搭載していました。その他、このモデル独自の NuBusも 6基を備えるなど、異色最強のマックと言えました。
しかし、当時は、これら非凡なスペックを生かせる環境が整わず、異色最強のマックとして晴れやかな舞台も用意されず忘れ去られて行きました。

唯一、この Macintosh IIfx が活躍した場が、出版社の編集部と印刷業にあっては DTPの現場でした。

Mac OS的には、漢字Talk6の時代で、Photoshopや Illustrator、QuarkXpressなどを扱う現場では、その非凡なパワーを遺憾なく発揮し信頼を得ました。しかし、漢字Talk7がプリインストールされた PowerMacの登場で、引退を余儀なくされ、短命に終わった可愛そうなビッグマックでもありました。

何しろ筐体が大きく、タワー型でも十分通用するサイズ。
横置きのデスクトップスタイルで、幅が約 50cm奥行きが 40cmほどあって、置き場所にも困りました。

この際、相棒のアップル純正13in.高解像度カラーモニターも道連れですが、百万円を積んでも買えなかったマックも 3,150円の処分手数料でリサイクルへ回されます。

0 件のコメント:

コメントを投稿