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2007年7月14日土曜日

ウォークマン(WALKMAN)の初代機は「TPS-L2」と名付けられて

世界的に大ヒットした携帯音楽プレーヤー「ウォークマン」の開発で中心的役割を果たし「ミスターウォークマン」とも呼ばれた元ソニー取締役の黒木靖夫さんの訃報が伝わっています。
ウォークマン初代機 TPS-L2
ウォークマン(WALKMAN)は、ソニーが1979年7月1日に発売した携帯型ステレオカセットプレーヤーの名称で、現在ではソニー製ポータブルオーディオプレーヤーの総称となっています。

いつでもどこでも、場所を選ばず音楽が聴けるウォークマンは、若者を中心に受け入れられ、当時の社会現象になるほどの大ヒット商品となりました。
もともとはポータブルテープレコーダーの「プレスマン」から録音機能を省き、ステレオの再生に特化して誕生したものだったそうです。

初代機「TPS-L2」には、その余った内蔵マイクや録音回路を使い外部の音をが聴けるホットラインと呼ぶボタンがありました。ステレオヘッドホンを二台接続でき二人で同時に音楽を聴くことができて、相手に話しかける時にはボタンを押すことでお互いにヘッドホンを外さなくても会話できることから、二人を直接つなぐ意味でホットラインと言われました。
ウォークマン最初のカタログ

これはよくよく考えると凄い発想だったと思います。たった一個のヘッドホーンジャックを追加しただけで、「Walking Stereo with Hotline」と言う、今までに無いコンセプトを創作したことです。

しかし、私の記憶では、二代目から内蔵マイクや録音回路は省かれ、代わりにミュートスイッチが付けられて、会話する時に押すとヘッドホーンの音量が下がり、お互いの声が直に聴き取れるように(手抜きですが?)設計変更されました。

国内は最初から「ウォークマン」の商品名でしたが、この和製英語、アメリカやイギリスなどの英語圏では素直に受け入れられず、別の名称だったそうです。

しかし、観光旅行などで来日した旅行者によって日本から「Walkman」が土産として輸出?され、海外でも直ぐに「Walkman」の知名度が高まり、一年も経たずに「ウォークマン」に統一されました。

この初のウォークマンとなった「TPS-L2」のプリフィックス"TPS"は「Tape Player Stereo」の略ですが、二代目から"WM"と正に「Walkman」の頭文字が付けられ今日に至っています。余談ですが、サフィックスの"L2"は付属のヘッドフォーン「MDR-3L2」から引用したのでは?と私は推測しています。

日本では、ウォークマンの爆発的なヒットにより、登録商標である「ウォークマン」の名称が一般名詞化し、他社製のポータブルオーディオプレーヤーも「ウォークマン」と称されるまでになりましたが、近年ではiPodが爆発的な普及で影が薄くなっている様に思われます。

今はシリコン・オーディオの時代と言われ、カセットテープを使用したプレーヤーの時代は終わりましたが、ウォークマンの残した功績は大なるモノがあると言えます。

私とこのウォークマン初代機「TPS-L2」との出会いは、発売間もない1979年の頃だったと思います。当時の職場の後輩がこれを持っていて、昼休みなどに肩掛けベルトに付けて歩き回りながら聴いているのにビックリしたのを、今でも鮮明に覚えています。

この初代機を買うことはありませんでしたが、恐らく初版と思われる当時のカタログを今も大切に保管しています。その表紙には、アウトドアで、浴衣を着た老人と緑色のレオタード姿の女性が「TPS-L2」を片手に、音楽に聴き入るシーンは「Walking Stereo with Hotline」を明確にアピールしたものとなっています。

カタログ、表紙と裏表紙

カタログ、見開きページ


このカタログの最終ページにある奥付は昭和54年7月とあります。

恐らく「TPS-L2」が新発売になると同時に店頭に置かれたモノではないかと推測しています。
価格は33,000円で、ステレオヘッドホーンMDR-3L2と肩掛けベルト付きキャリングケースが付属されていたことがわかりました。

今から四半世紀以上前の話ですが・・・

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